英語の絵本たち

英語の絵本も面白い。Caldecott賞、Notable Children bookを中心に選んでいます。興味があったら購入できるようにと各本にアマゾンと紀伊国屋書店のリンクを貼っていますがアフィリエイトはしていません。アメリカ在住。

Henry's Freedom Box A True Story from the Underground Railroad by Ellen Levin

f:id:eigonoehon:20170830080325j:plain

https://www.amazon.com/Henrys-Freedom-Box-Underground-Railroad/dp/043977733X/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1504047682&sr=1-1&keywords=henry%27s+freedom+box←ここで買えます@米国Amazon

https://www.amazon.co.jp/Henrys-Freedom-Box-Ellen-Levine/dp/043977733X/ref=sr_1_1?s=english-books&ie=UTF8&qid=1504047695&sr=1-1&keywords=henry%27s+freedom+box←ここで買えます@日本アマゾン

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-02-9780439777339←ここで買えます@紀伊国屋書店

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784790251941←日本語翻訳版@紀伊国屋書店

 

☆受賞歴☆

2008年Coldecotto Honor Book

 

☆ストーリー☆

アメリカの黒人奴隷の話。奴隷のヘンリーとその家族は、大きな家を持つ主人のところで働いていました。ヘンリーは、自分が何歳であるか知りません。黒人奴隷は自分の誕生日を知ることは許されてなかったからです。ヘンリーの主人が死ぬと、賢かったヘンリーはその息子の下で働くように言われました。家族とお別れです。そこで幸運にも妻に出会い、子どもをもうけました。奴隷同志が結婚する場合、主人が承諾が必要でした。ある日、別の主人に仕えていた妻と子供が、ヘンリーが仕事に出ている間に奴隷市場で売られました。悲しみに打ちひしがれたヘンリーは、奴隷制度のない北部への脱出を試みることにしました。そして、北部に着いたとき、彼には、Boxというミドルネームと誕生日が与えられたのでした。

 

☆感想☆

絵本では、このように奴隷個人の小さい物語も語られています。それを読んでいくことで、黒人奴隷の酷い扱いが、大きいニュースによって知識として理解するのではなく、彼らの苦しみを心で感じてきているという気がしています。黒人奴隷のヘンリーは、物ですから、妻と子供を売られることなど知る余地がありませんでした。そして27時間も小さい箱の中に入り、無事生きて目的地へと到着し、自由を獲得しましたが、妻と息子に再開することは叶いませんでした。1800年代半ばには、黒人奴隷は400万人いて、6万~10万人の黒人奴隷が「地下鉄道」を使って自由を求めたと言われています。ヘンリーのように、うまく逃れた人ばかりではなかったでしょう。リンカーンの奴隷解放宣言は、1862年。公民権法成立は、1964年です。アメリカ支配階級と黒人奴隷の関係は近代史です。ヘンリーは、その後、イギリスに渡り再婚したそうです。売られた妻と子供を想うと気持ちは複雑ですが、家族を思って一生独身だったというのも、あまり現実的でもないな、とも思います。

 

読み聞かせるなら:7歳以上でいいと思う。

 

読み聞かせるなら:4歳くらいからOKと出版社にあるけれど、7歳以上でもいいと思います。