How I Learned Geography / おとうさんのちず by Uri Shulevitz
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☆受賞歴☆
2009年Coldecott Honor Book
他の絵本でも入賞しています。
☆ストーリー☆
戦争で故郷(ポーランド)を奪われた男の子の家族が、遠い東の国(トルキスタン)へ逃げてきました。夏は暑く、冬は寒く、住宅事情も食糧事情は悪かった。ある日、パンを買いに市場に出かけた父が、地図を買って帰ってきた。その日の夕飯はもちろんなく、一緒に住む夫婦が美味しそうに夕飯を食べるを見ていた。地図を広げると、男の子は、いろんな国、いろんな季節を楽しみうようになった。地図を見ていると時間を忘れて、貧しさも、ひもじさも忘れた。あのとき、パパが地図を買ってきたのは正しかった。
☆感想☆
絵本作家のシュルヴィッツ氏が自分の子供時代を描いた絵本。少しのパンを買うお金しかないのに、地図を買ってくる父。父も市場で大いに葛藤したでしょう。パンを買うべきか地図を買うべきか。子どもを持つ親なら、今日をしのぐパンか、将来の糧になる地図か、と。このまま悲惨な日常に、息子を置いておいていいのかどうかと。地図を買うのは親としても一つの賭けです。息子が全く見向きもしなかったら、それはごみ以外のなにものでもなくなってしまう。私は、ついつい、親目線で物語を読んでしまいます。そして、地図を買ってきた父を、とても勇敢だと思うし、誇らしくも思います。感動的な自伝です。オリジナルの地図はなくなってしまったそうで、記憶をだどってこの絵本に地図を書いたそうです。パンと迷ってしまうほど、素晴らしい地図だったことが分かります。そして、日本に地名も出てきて、嬉しくなります。